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さがみはら商工会議所会報連携 特別企画
さがみはら激辛ロードのキモ!キャロライナ・リーパーの生産者へ突撃インタビュー
相模原で“世界級の辛さ”を育てる
生産者に聞く、激辛唐辛子の魅力

合同会社七海交易 代表 竹内 僚 氏
―キャロライナ・リーパーとの出会いを教えてください。
元々はバングラデシュでブート・ジョロキア(以下、ジョロキア)を製造し、日本で輸入して販売する会社を2006年に始めました。「国産が欲しい」とのお声もいただいたので、日本でも生産を始めたタイミングで、キャロライナ・リーパーがギネスで世界一辛い唐辛子となったこともあり、取扱いをはじめ今に至ります。
―ジョロキアを製造販売する会社を立ち上げようと思ったきっかけは?
商社の駐在員としてバングラデシュに滞在してたのですが、その後退職して学び直しがしたくて現地の大学に通っていました。その間にジョロキアが世界一辛い唐辛子として発見されたと(いうニュースがあり)じゃあ、それを仕事にしようと思ったのが始めたきっかけです。
激辛唐辛子の中で自然種はジョロキアが最後です。(ジョロキアがギネスで世界一の辛い唐辛子として認定されたあとに、ギネスで認定されている激辛唐辛子は)いずれも掛け合わせ。日本がハバネロブームだったこともあり、これはチャンスだと思って(始めました)。
(創業時点では、)製造のことも食品のことも農業のことも知らなかったし、取引先もゼロでした。
―バングラデシュにいたという理由だけで会社の立ち上げまで?
そうです(笑)。ジョロキアはインドのアッサム州で見つかったんですが、気候が似ているバングラデシュなら栽培できるだろうなと。アッサム州はバングラデシュと同じ文化圏で言語も一緒。直接距離で言ったら、山を越えてもうすぐなんです。
―どのように生産体制を確立されたんですか?

出典:同社ホームページ
何も知らない状態でした。現地の人にはおなじみの唐辛子なので、現地ではある程度作られていました。ただ、世界一辛いとは知らなかっただけで。そこから畑を借りて、機械を買いました。この時は全財産と借金を背負って命がけで事業を始めたんです。
目算はあってのことだったんですが、そんな簡単じゃなくて、1年目は畑や機械設備の準備等に時間を掛けて終わってしまい、2年目にサイクロンで全滅。3年目にやっと大規模での栽培ができ収穫までいったんですけど、またサイクロンで全滅。借金も抱えて4年目にもう1度日本でお金を調達してチャレンジしたんですけど、お金と収穫した唐辛子を持ち逃げされて、これまた借金になって、5年目にやっとまともに日本に輸入できたんですが、製造しても全然売れなかったんです。ジョロキアは知名度がなくて、企業の方にも「ジョロキアって何?」から、話が始まる感じです。5年目も売れなくて在庫を抱えて、もうダメだって時に、大手食品メーカーから商品化の引き合いが舞い込んできたんです。取引額は今に比べると大したことないんですが、もうその時はこれが救いで、なんとか6年目につないで、そしたら他の大手食品メーカーからも商品化のお話をいただいて、軌道にのった感じです。大量の在庫の置き場所が無くて、京都の知り合いの野菜倉庫に、保管してもらっていたのですが、その野菜の視察に来たのが大手食品メーカーのお偉いさんで、山積みになった何だか分からないダンボールを見て「これ何?」って言った時に、「実は竹内という人間がバングラデシュから仕入れて置き場所無いから預かってます」と話をしたら、「ちょっと会わせろ」となって、本社に呼ばれて、僕は必死にアピールしました、熱い思いを(笑)。そこから分析をしたら、農薬も出ないし、カビも出ないし、一般生菌とかは多少出たけど殺菌できると。じゃあ大丈夫だから取引しましょうとなって、最初の商品ができた。発売当初は大した量でもなかったんですが、商品自体も発売3年目くらいから季節限定商品から通年販売になって、取引量も3~5倍に増えました。取引を始めると、他社からも次々と話をいただくようになり、注文が増え、作っても作っても足りないぐらいで、バングラデシュに機械設備をバンバン入れて、今に至ります。今の最大生産量は、粉で約1300kgになりました。10t分を加工できる設備がバングラデシュにあります。

出典:同社ホームページ
バングラデシュの工場には、約40人の従業員がいるんですが、創業から20年近くずっと働いてくれてる方もいます。ジョロキアの後に、ナガ・バイパーとか、インフィニティ・チリ、トリニダード・スコーピオンと、2年に1回くらいのスピードで、世界一辛い唐辛子のギネス世界記録が塗り替えていってたんですよね。どんどん新しい唐辛子が作られていたんですけど、キャロライナ・リーパーは2013年に世界一辛い唐辛子に認定されてからは10年ぐらいずっと不動の1位だったんです。2026年にペッパーXが出て塗り替えられちゃいましたけど。一番売れるのがキャロライナ・リーパーというだけで、多品種を生産してます。在庫見ながら年によって生産する量を調整しています。
―ペッパーXの生産はしていますか?
種が手に入らないです。キャロライナ・リーパーとペッパーXの開発者は同じなんですよ。だから、キャロライナ・リーパーの時に痛い目を見て、囲い込んでおいた方がいいぞと(笑)。最初のうちはキャロライナ・リーパーも1粒何千ドルとか言ってたのが、もう1年経てばあっという間に広まって、価値が下がってしまうので、新種は種が門外不出になっています。もう一粒あれば苗が出ちゃえば、無限になっちゃうんで(笑)。
ただ、(畑に)植えて取った種は、交雑してしまう可能性があるため、種取り用の株は、(別品種の株が)隣接していない株から取る必要はあります。(交雑してしまうと)次の年、隣接していた株の影響がでしまうので、種は結構注意しています。
―現在の生産量はどのくらいですか?

相模原市内に広がる激辛唐辛子畑
激辛唐辛子が5000株、うち、相模原市内には4000株あります。普通の唐辛子も3000株あります。現在、栽培を提携農家さんも探していて今後拡大予定です。年間のトータル生産量が、粉末で4~500kg生産しています。栽培から製造まで行い、食品メーカーなどに卸せる規模感で作れるのは日本では当社だけだと思います。機械設備を持っている企業はあると思いますが、専用ラインにしないと、他の商品に激辛パウダーがついて辛みが残ってしまう可能性があるので、あまりやりたがらないんです。
―製造工程について教えてください

瓶詰から金属検査まで市内の工場で作業
国内だと、大月にある工場で、実の洗浄から、脱水、切断、乾燥、粉砕、金属除去をしています。そこから相模原の工場に移し、瓶詰と金属検知を行っています。乾燥は風味を落とさないため、45時間くらいかけています。
―製造工程の中で難しいところ工程は?
(商品によって)粉砕する粒の大きさや色合いの規格が厳しいものがあります。収穫時期や畑の場所などによって実の色にばらつきが出てしまうため、特に色指定がある場合は、一定の色になるよう調整する必要があります。はじかれたものは自社商品の七味にブレンドしたりもしています。

収穫直前のキャロライナ・リーパー
あとは、取扱いがとにかく大変。そもそも触れることができないんです。一番つらいのは粉砕工程。体力的にも精神的にもつらいです。大月工場では1人で全ての工程を行うため、効率重視で同じ部屋に乾燥機4台稼働しているので、工場のドアを開けた瞬間、室温が50度くらいあります。毎回汗だくです。汗に辛みがのってしまうとかゆくなってしまうので、長袖を2~3枚着て作業する粉砕などは暑すぎて夏はできません。バングラデシュの工場では、2人一組にして1時間半を4回転しています。みんな「かゆい」といいながら頑張ってくれています。
農作物を安全な食品に変えるという面での難しさでいうと、知識の問題があります。例えば大腸菌群をどうやったら除去できるかとか、異物をどうやって入れないようにするか、入ってる異物を取るか、金属の除去方法、あと粒度、いろんな知識がないと販売というところまでは繋がらない
―「さがみはら激辛ロード」の企画を聞いたとき、また過去2回実際に開催してみていかがでしたか?

昨年度開催の様子
最初は元々取引のあった市内飲食店の方からお声がけいただいたのがきっかけです。1回目の時はあいにく天候が悪かったのですが、盛り上がる感触はありました。飲食店だけでなく、実際に製品を買ってくれる方も多くいらっしゃいました。とにかくみんなに食べてほしいので、そのきっかけになってくれればと思っています。
―イベントを通じて伝えたいことはありますか?
伝えたいことは…「使い方によってはおいしくいただける」ということです(笑)
「辛いのはダメ」と食わず嫌いせず、まずは知ってほしいです。自分にあった量や食べ方を研究してもらい、食として楽しんでもらいたいですね。イベントではせっかく市内の飲食店さんがおいしく調理した料理を提供してくれてますから、ちょっと食べて「あ、意外といけるじゃん」と手ごたえを感じてくれると嬉しいです。
―竹内さんはキャロライナ・リーパー食べれますか?また、おすすめの食べ方はありますか?
食べ方によります(笑)。1g食べれますかって聞かれたら食べれないけど、自分の適量を把握しているので、おいしく食べれます。
私自身は風味が湯気に乗る方が好みなので、みそ汁やラーメンにかけて食べるのが好きです。なので、汁物にかけるのがおすすめです。そうすると、素材そのものの風味を感じられるようになるので、「あ、これはハバネロだな」「これはジョロキアだな」とわかるようになります。僕くらいになると、作業中にたくさん感じているので、すぐにわかりますけどね(笑)。自然種がそもそも違うスコーピオンやジョロキアなどは明確に違います。ハバネロは独特のフルーティーさが強い。ジョロキアはどちらかとスモーキー。交配にハバネロが使われているキャロライナ・リーパーは、フルーティーさはそんなに強くないですが、甘さが強い。唐辛子の奥深さでいうと粉の粒が細かさによっても辛みの感じにくさが違います。細かい方が表面積が増えるので辛く感じるんです。同じ量であっても0.3ミリメッシュパスと0.7ミリメッシュパスだと全く辛みの感じ方が違います。当社の製品は見栄えも考慮して0.7ミリメッシュパスで製造しています。
―竹内さんにとって激辛唐辛子とは何ですか?
夢を叶えるためと責任のための手段です。海外を旅することが趣味で、年2回、必ず長期休みをとり家族と海外旅行しています。そのために他の月はフル稼働です。
後継者を育てたいなとも考えていますが、いかんせん工場での仕事は過酷ですので・・・いい人がいればいいなと思っています。
―来場者へひと言お願いします!
あなたも激辛すきかも?!食わず嫌いせず、一度お試しください。
お問い合わせ経営支援課 飲食宿泊業部会担当
電話:042-753-8135
